純愛
私は寂しく光る、左手のペアリングに目をやった。

「もう・・・終わっちゃったんだね・・・。」

本当は、これからも共に人生を歩んでいきたかった。

でも・・・終わったよ・・・。

私は昂樹とのペアリングを・・・昂樹との最後の思い出と共に・・・床へと投げつけた。


『君と過ごす初めてのX'masday』

『歩く人並みかきわけて行こう』

『今年は1人じゃないX'masday』

『平凡だけど君とのメリーX'mas』


ipodから聴こえるこの曲・・・。

昂樹との思い出の・・・。

この曲・・・。


「さよなら私の初恋・・・。」

そして
こんにちわ。新しい未来・・・。


そうだ・・・。美沙に知らせなきゃ・・・。

♪~♪♪~♪~♪♪~♪

いいタイミングに、美沙からの電話・・・。

「もしもし!?紗実!長田となんかあったの!?今、宏の所に長田が来たんだよ!紗実との写真持って!」



昂樹が・・・?

「・・・美沙・・・私、振られちゃったんだよ・・・。私・・・昂樹とバイバイしたんだぁ・・・。」


「紗実!しっかりしな!長田だって苦しんでんだよ!」

昂樹が苦しんでいるの・・・?

私・・・こんなに苦しいのに・・・。昂樹がいなくて苦しいのに・・・。

「美沙ならわかってくれると思ったのに・・・!私だって・・・私だってこんなに苦しいのに・・・!もう・・・わかんないよぉ・・・っ!」

昂樹・・・。
別れるのであれば理由が知りたかったのに・・・。

私・・・昂樹がいないこの数分が・・・頭の痛さよりも、もっと・・・もっともっと辛いよ・・・。


昂樹が辛いの・・・?

私よりも・・・?

美沙ならわかってくれると思ったのに・・・。

昂樹の辛さは昂樹にしかわからない・・・。

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