今年のクリスマスプレゼント、君。【短】




「七海とやり直したいってこと?
お前らもう半年以上も前に別れたよな?」


「うん。
なぁ庄司。
莉子ってさ、何となく七海に似てねぇ?」




七海は俺らと同じ中学だった同級生だ
半年前
理由は分からないけど
雄平と七海は1年以上の付き合いに終止符を打った

確かに言われてみれば
七海と莉子って何となく雰囲気が似てるかも・・・
でもだからって。


「雄平さ
もしかしてそれで莉子と付き合ったわけ?」


雄平は言いにくそうに
だけどもはっきり
「かもな。」と答えた


何だよ、それ
せっかく二人のこと応援しようって
だから莉子のこと諦めようって思い始めたばっかなのに
何なんだよ、それ


「お前最低だな。」


「分かってるよ。
だからちゃんとけじめはつけるつもり」


「けじめ?」


「クラスで今度クリスマスパーティやるだろ?
あの日莉子にちゃんと言う」


「別れるってことを?」


「うん」




これ以上俺は
雄平に莉子のことを聞けなかった

なぁ雄平
一年の片思いって長いんだよ
俺が莉子をずっと見てきたように
莉子だってお前をずっと見てきたんだ
きっとお前が
七海をこの半年間想ってきたのと同じように

莉子だって

俺だって





< 10 / 26 >

この作品をシェア

pagetop