今年のクリスマスプレゼント、君。【短】




一週間後のクリスマスパーティー当日
昨日の夜はほとんど眠れなかった
莉子の傷付く姿が目に見えるようで

多分怖かったんだ
自分勝手だけど
雄平という繋がりを失くすことで
もう莉子との関わりがなくなることが


パーティ会場に入ると、中はイルミネーションの嵐で
一気に目がチカチカする
既に奥の方にはたくさんの参加者が集まっていて
俺はその中でひと際目立つ莉子を、すぐに見つけることができた


「庄司!」


その声に一瞬ドキッとしながら後ろを振り向くと
そこには白いワンピースを着た莉子がいて
いつもとの雰囲気の差に少しドキドキする


「何かいつもより気合い入ってんじゃん。」


「だってクリスマスイヴだもん。
それにね、これできたの」


莉子の手には青いマフラー
そういえば俺が雄平の好きな色教えたんだっけ。


「よく頑張ったじゃん。
絶対雄平喜ぶよ」


「そうかな~。
24日になった瞬間に渡そうと思って。
サプライズでしょ?」


「そっか・・・。
頑張れよ」


「うん!」




去っていく莉子の後ろ姿を見ながら思った
ごめん
俺何も出来なくて。

こんなにも彼女のことが好きなのに
好きで好きでたまらないのに
結局彼女に何もしてやれない自分の
無力さと
情けなさを
ひしひしと感じた



< 12 / 26 >

この作品をシェア

pagetop