今年のクリスマスプレゼント、君。【短】
一週間後のクリスマスパーティー当日
昨日の夜はほとんど眠れなかった
莉子の傷付く姿が目に見えるようで
多分怖かったんだ
自分勝手だけど
雄平という繋がりを失くすことで
もう莉子との関わりがなくなることが
パーティ会場に入ると、中はイルミネーションの嵐で
一気に目がチカチカする
既に奥の方にはたくさんの参加者が集まっていて
俺はその中でひと際目立つ莉子を、すぐに見つけることができた
「庄司!」
その声に一瞬ドキッとしながら後ろを振り向くと
そこには白いワンピースを着た莉子がいて
いつもとの雰囲気の差に少しドキドキする
「何かいつもより気合い入ってんじゃん。」
「だってクリスマスイヴだもん。
それにね、これできたの」
莉子の手には青いマフラー
そういえば俺が雄平の好きな色教えたんだっけ。
「よく頑張ったじゃん。
絶対雄平喜ぶよ」
「そうかな~。
24日になった瞬間に渡そうと思って。
サプライズでしょ?」
「そっか・・・。
頑張れよ」
「うん!」
去っていく莉子の後ろ姿を見ながら思った
ごめん
俺何も出来なくて。
こんなにも彼女のことが好きなのに
好きで好きでたまらないのに
結局彼女に何もしてやれない自分の
無力さと
情けなさを
ひしひしと感じた