今年のクリスマスプレゼント、君。【短】




「庄司。
話しあるから・・・
ちょっといい?」


「あぁ・・・
うん」


全くもって莉子の考えていることが分からなくて
不意打ちの問いかけに
俺自身戸惑いを感じずにはいられなかった

莉子にギュッと腕を握られて
裏庭まで連れて行かれる


「おい、莉子。
おい!」


俺の怒鳴り声にビクッと肩を震わし
恐る恐る俺の腕を離す莉子


「おい。
何であんなこと・・・」


言った瞬間に後悔した
莉子の顔は涙でいっぱいになっていて
苦しそうに顔を歪め
こらえるように泣いていたから


「莉子・・・」


「庄司だめだよ。
あたしの為に雄平に手出したりしたら。
あたしね、もう大丈夫だから。
ほら。
さっきも中々いい演技してたでしょ?」


「なら何で・・・
何で泣いてんだよ・・・」


「泣いてなんか・・・」




理性とか
自制心とか
いつもなら有り余るほどに持ってるはずなのに
その時ばかりは
抑えきれなかった

気付いたら
莉子を
ギュッと強く

抱き締めていたんだから




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