今年のクリスマスプレゼント、君。【短】
今何て・・・
「じゃぁこれだけだから。
また明日学校でね」
「おい。
さっき何て・・・」
勢いよく莉子の腕を掴んで
こっちに向かせた瞬間
莉子の顔は真っ赤で・・・
「やだ!
違うの。
さっきのは変な意味はないの。
ただ何て言うか・・・
ほら。
人って何が起こるかなんて分かんないじゃん。
だからもしかしたら・・・
ね・・・?」
必死に否定する莉子の姿が可愛くて
思わず笑ってしまう
「何で笑うの?
もぉ!
庄司なんか嫌い」
「へぇ〜。
俺は好きなんだけどなぁ・・・」
「なっっっっ・・・
すぐそういうこと言うんだから!」
夜の静かな公園に
俺達の笑い声だけが響いていた
空の月が輝かしく光って、俺らを見守ってくれている
きっとサンタクロースは
俺に少し遅めのクリスマスプレゼントをくれたんだ
「なぁ莉子。
明日晴れるかな?」
「さぁ?
でも晴れればいいね。」
二人の手が少しずつ重なる
寒い冬に
温かい二人の手の平
これからこの恋がどうなるかなんて
誰にもわからない
でも俺の片思いは
まだ始まったばかりだ
―END-