今年のクリスマスプレゼント、君。【短】




「お前さ、莉子と仲良いよな?」


いつも通りの部活の帰り道
雄平に突然言われた言葉


「え?
あぁ、まぁ普通には。」


何て答えたらいいのか分からなくて
曖昧に言葉を濁す
何で突然そんなこと?


「最近莉子さ、俺のこと何か言ってる?
上手くいってないとか・・・
そういうこと。」


「いや・・・
まぁでもあんま元気はないかもなぁ」


チャンスだと思った
この際全部聞きだしてやる


「何?
莉子と上手くいってないの?」


「まぁな。」


苦笑いを浮かべる雄平の目が
少し霞んで見える


「は?
何で?」


まさか雄平がこんな風に思ってるなんて予想もしていなかった
周りで二人を見ている俺にとって
二人が上手くいかない理由が見当たらなかったから


「莉子と付き合ってよく分かったんだ。
俺さ、まだ七海のこと好きなんだよ。
どうしても
莉子に想われてる分、俺は返せない」


「七海って・・・
お前らまだ切れてねぇのかよ?」


「切れてるよ。七海にとってはな。
でも俺は
まだ全然忘れられてない」




何だよそれ
じゃぁ何で莉子と付き合ってんだよ
あいつは本気なのに
あいつは本気でお前のこと想ってるのに


一歩でも怒りが爆発したら
雄平を殴ってしまいそうで
何とか必死に平静を保ちながら、俺は言葉を続けた



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