記憶のバグ
二人で妙なテンションになりながら、クレープ屋を目指す。


「かわいい子見つけたらお前が声かけろよ。」
広斗が俺に言った。


「何だよ、俺がかよ。」
まったく、わがままな奴だ。


とりあえずクレープを買いながら、マネージャーに話しかけることにした。


クレープ屋は盛況で列が出来てる。


もちろん俺ら二人も並んだ。


マネージャーが俺らを発見して近づいてきた。


「やっぱり二人できたね。」

マネージャーの優子だ。
優子は、気が利くマネージャーで俺らみたいな奴でも、優しく接してくれる。

嫁にするならこういうタイプがいいと誰もが思うだろう。


「クレープ買ってくれるの?ありがとう。」


「それより、かわいい子って何処にいるんだよ。」
広斗が被せるように言った。

「ひどい、それが目的?」

「ま、まぁね」
俺ら二人はバツが悪い感じで答えた。


「じゃあ、そのまま並んでれば会えるよ。」

俺と広斗は顔を見合わせた。


列が進み、俺らの順番だ。

マネージャー優子が言っていた意味が分かった。
< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop