記憶のバグ
朝起きるとポケベルが光っていた。


『初めまして、無理言ってごめんね えり』


それを読むと、同時に寝坊したのに気付き、用意を急ぐ。


野球部は朝練がある。


急げば間に合う。
そんなギリギリな朝だった。


朝練が終わると広斗が


「エリちゃんのポケベルの番号知りたいなぁ」


俺はドキッとした。


俺は昨日マネージャーの優子から聞いている。
まだ広斗には言ってないし、言えない。


「まぁ頑張れよ。」
俺はたどたどしく広斗の肩を叩いた。


俺は嫌な奴だ。


しかも、朝の返事を何て返そうか考えている。


広斗 ごめん…
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