カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編
翌朝、体調が昨日よりは良く下へ降りられた。

台所ではリズミカルに、包丁をお母さんが奏でていて、鼻をくすぐる美味しそうな香が、リビングいっぱいに広がっていた。

久しぶりに美味しそうに感じる。

少し硬い、革のソファーに腰をかけて、お母さんの後ろ姿を眺めていた。

「気分は、今日はいいの?」

「うん。大丈夫。」

「そう…。まだお粥出しとくわね。」

再び、調理を再開し始めだしていた。

あれ…?何だかお母さん…元気ない…の…かな?


「お母さん…?なんか…体調悪い?」

「どうして?」

どうして…?て聞かれて逆に困るんだけどなぁ

「なんとなく…そう思ったから」


黄色いふわふわの卵焼きを運びダイニングテーブルにリズミカルに置いていた。いつもと違う様子でこちらを見つめる母の視線に、ひどく私は傷ついた気分になり落ち着かない。







「舞。今日は後で病院へ行きましょう。」

いつもより深刻な顔付き。

絶対母さん…何か気が付いたんだ!









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