カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編
「今日は、用事があるからダメ。行かない。」

まずい!ずらさなきゃ

「舞…」

「それに、気分がいいし、病院行く必要ないよ」


きっと、産婦人科に連れて行かれる。

「舞。」

「嫌だなぁ~お母さんったら心配症なんだから。」

「舞…!」

嫌だよ。そんな悲しい目で私を見ないで。

私…悲しい子じゃないんだから。

鼻の奥がツーンとしてきた。


ダメダメ。泣いたらダメ。ばれちゃうから。

「舞…?もう、知ってるのよ。カズキ君から聞いてるのよ?」

「どうしてカズキ…が?」

「カズキ君が毎日、お父さんの所へ、結婚の許しを貰いに通ってきてるのよ。」

呆れているのか、悲しんでいるのか、母は下をずっと向いたまま。

「この話が、20才とかならまだわかるけど、舞。あなたはまだ16才。
無理よ…認められない。」

「お母さん…」

「だから、今日はご飯食べたら病院行くのよ。」

そんな…お腹の赤ちゃんは…?


どうするの…??

酷いよ!嫌だよ!


「私…病院なんて行かないから!!赤ちゃんを殺す気なんでしょ?
絶対!行かないから!」

たまらず泣きながら、リビングを跳びだし部屋へ、逃げ込んだ。

嫌だよ!!嫌だよ!!

赤ちゃん誰にもあげない!

絶対産んでみせるんだから!!








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