カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編
トントン…


何かが肩に触れて、振り向くとそこには、松岡が少し呆れ気味の顔で立っていた。



それも、そのはず…


両手に、ユキとフミに支えられて、おまけに私ははしゃぎながらの、ちどりあし…



誰が見ても、酔っ払いって分かってしまう。
「ずいぶんご機嫌だなぁ。何かあったのか?」


私に問い掛けてるのかさえ、分かっていない。


「今日は、ずっとこの調子なんです。すいません」

「いや?ユキちゃんが謝る事ないよ。こんなに酔っ払いの舞を見るの、出合った時以来でちょっとびっくりしてるんだ。」

「懐かしいですね。
中学の時、シュンさんのお家で酔ってましたね」


「だなぁ…」







そう言って、ひょいと私を軽々お姫様抱っこしてきた。

ふわふわして…気持ち良いい~





なんか…いつだったか…




あの時もこんな感じに、ふわふわして気持ち良く運ばれたっけ…


今思えば…


あの時酔って寝込んだ時。
運んでくれたのって…

松岡さん…だったんじゃないかなぁ。



と…言う事は…

あの時…


私のおでこに゛触れた″ものは…松岡さんの

キッスッ!?



今更だけど、それに気がついてしまった私…



なんて鈍いんだろ…

はぁ…恥ずかしい









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