憎愛者





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チュン…


鳥の声が聞こえてきた。
もう、朝か…

心地いいベッドから顔を出すとカーテンの隙間から漏れる眩しい太陽の光が目を刺激した。



時計を見るとまだ8時
日曜日だから仕事も無い
まだ寝れると思い、目を閉じようとしたらドアが開いた。



『こら、孝行!早く起きなよ!』


ドデカイ声を発しながら部屋に入ってきたのは妻の美幸。俺よりも5つ下だけど、俺よりもしっかりしている。



『…やだ…』



そう言ってベッドに潜ろうとしたら、急に視界が明るくなった。美幸が布団を取ったからだ。



『…なにすんだよ〜…』



『なにすんだよ〜じゃないよ!ほら、起きて!』



こんなに天気もいいんだから!と言って、閉まっていたカーテンを開けた。さっきよりも強烈な光が目に入り込んできて思わず目を瞑った。



『眩し…』



『眩しいのは晴れてるからだよ。昨日は雨だったのにね〜。』



外を見ながら嬉しそうに笑う美幸。罪悪感が心を軋ませる。



……………雨、か
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