就活魔女も夢を見る
あれは、僕が会社から合格の通知を受けた次の日のことだ。


僕は働くにあたって必要なものを買い揃え、自分の部屋に戻った。


すると、結局僕の部屋に住み着いたアカネが、ベッドの上で本を読んでいた。


「君は人のベッドでなにしてるわけ?」


「あ、おかえりぃ。暇だったから本を読んでるんだぁ」


「その本はどうしたんだい?」


「ベッドの下にあったのだよぉ」


「ベッドの下にある本は読んじゃいけません! そこは男子のシークレットゾーンだから!」


「だってぇ、暇だったんだもん」


「じゃあ就活でもすればいいじゃん」


「だってぇ、新田智則が手伝ってくれないんだもん」


「わかったよ」


僕はお店でもらった就活情報誌をアカネに渡した。


「とりあえず、バイトでもしたらどうかな? 社会勉強って意味では1番役に立つと思うけど」
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