~KissHug~
~3~
素良と千鶴、芳樹は同じ中学出身のようだった。
私は、千鶴が好きにはなれなかった。
芳樹とラブラブの時は
こないくせに
なにかあると
素良に甘えに来る
なんて勝手な女だろう
でも、素良はそんな千鶴を冷たく突き放さない。
口は悪くても
結局、千鶴の言うがままに
最後は、なぐさめている。
こんな光景を私は何度見ただろう。
素良が千鶴を好きなのは
認めたくないけれど…
今回もそんな千鶴を優しい目で見ていた。
「もう…やなの。芳樹に振り回されて
いっつもわたしばっかり
悲しい思いして…」
「そうですか、もうその言葉聞きあきたぞ。
結局、芳樹が謝れば
許しちゃうんだし~」
「許さないもん~
素良さびしいよ~」
いい加減にしてほしい
私は、胸が刺されっぱなしで
切なくなってきた。
「好きよ、素良…」
「はい、はい…
芳樹の次でしょう…」
「素良、いつもそばにいてね。
素良がいないと、私死ぬから。
「バカか~
いつまでも付き合ってられないからな。」
「だって、素良は
ち~のこと好きでしょ?」
中休み終了のベルが鳴った。
やっと解放される…
おもむろに立ちあがって
ヨロヨロと自分の席に戻って行った。
その後姿を見つめる
素良は悲しげだった。
素良は、好きなの?
素良も千鶴に片想いしてるんだろうか