~KissHug~
いろいとな思いをのせて
学校は夏休みを迎えた。

私は、塾の夏季講習を申し込んでいたので
夏休みとはいえないけれど
家にいても仕方ない
スタートは3日後だったから

夏休み最初の日に
芳樹と部屋の掃除を予定した。


朝9時から始めたその作業は
昼もまたぎ
3時を過ぎてなんとか
きれいになってきた。


私たちは、マスクを2枚重ね
髪の毛をバンダナで巻いて
学校のジャージに着がえて
途中あまりの汚さにブチギレながら
芳樹をこき使った。


見たことのない虫に悲鳴を上げて
芳樹に抱きついたり
一緒に重いものを持ったりして

なんだかとても
楽しい気分だった。



「おわった~!!」

ピカピカに片付いた部屋の
最後のゴミをまとめて
私たちはお互いをたたえ合った。


「あ~なんかやりとげた達成感~」

「俺んちってこんなに広かったんだ~」


「お腹すいた。」

「そうだな、昼も食べてなかったから。
なんか食べに行くか?
俺おごるし、今日はお礼に
なんでもいいぞ~」


「やった~!!」

でも汗でベタベタになった身体では・・・


「芳樹、シャワー借りたいんだけど…」

「もちろん、シャワーなんて言わずに
お風呂にでも入ってほしいな~
俺、何か月ぶりかな、シャワーしか使わないから。」


「じゃ、お風呂はいってから
出かけよう。何食べようかな~」


頭の中には
この空腹をなにで満たすべきか
考えるとウキウキした。


「ぷーちゃん、お湯入ったぞ。」

「芳樹先に入っていいよ。」

「どうぞ、お客様から~」
芳樹はニコニコ笑った。
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