~KissHug~
学校での素良は
二人っきりの素良とは違う。
その二重人格性が愛しかったりする。
二人っきりの素良は私のおもちゃでも
そうじゃない時の素良は王様のように
強気で、
私がおもちゃに
立場が逆転してしまう。
登校していくと玄関の陰で
素良がたっていた。
私はドキドキしながら
他人のふりして通り過ぎようとした。
その時、手を引かれて
陰につれこまれた。
「昨日は、なんで帰ったの?」
今朝の素良の目は冷たくて
ドキドキした。
「用事があったの・・・」
消えそうな声でつぶやく。
「なんの用事?」
私は周りを確認するのがやっとだった。
「誰かに見られるから」
「うるさい、聞いたことに答えろ。」
その冷たい目に見つめられたら
私は失神寸前になる。
ときめいて、どうにでもしてって感じ~
「通販の荷物が届くことになってたの…」
素良は私のメガネを外した。
「俺の目をみて…」
顔の毛穴から汗が噴き出そうだった。
「今日俺んちに来い。
わかった?」
「はい…」
「俺がイイっていうまで
帰るのだめだから~」
「はい…」
周りを確認して素良がふいに
私を抱きしめた。
「ん~朝から最高な抱き心地だぜ~」
そして何事もなかったように
先に教室に向かっていった。
私は走り続けたような心臓を押さえた。