~KissHug~
それから数日して学校に現れた
芳樹に騒然となった。

髪の毛は金髪
耳にはピアス
だらしなくシャツのボタンを開け
パンツの見え隠れする
腰パンとやら


この学校は進学校だから
あまりそういうタイプに
お目にかかれないので
先生たちも
大変な騒ぎようだった。


芳樹の不幸は先生たちも
わかっていた。
塾に通わずしても
学年20番以内に入る芳樹を
なんとか国公立に
目を向けさせようとしていたらしい……


私は朝
気づかずにすれ違った。


  こんな子いたかな?
  留学生?



「歩来。」


空耳に振り向いて
金髪に目をやって
私は大変に驚いた・・・・


「留学生かと思った・・・」

そう言って
変わり果てた
芳樹を見つめた。



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