~KissHug~
「どうしたの?その格好。」
私は目が ぱちぱちした。

「見かけることがあっても
友人にそういう人ができると
思わなかったよ。」
わざとおどけた。

その格好に芳樹の
心が出ているような気がした。


「学校やめることにしたんだ。」

「え?どうして?
おかあさんがいなくなったから?」

「それもあるけど
自分の力で歩いて行かなきゃさ。
学校に行ってるヒマないし……」


「だめだよ。
一度っきりの人生だよ。
奨学金とか手があるよ。
先生に相談したらいいよ。」


「決めたことだからさ…」



芳樹は遠くを見つめていた。
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