~KissHug~
「一番最初におまえを見た時
おまえは人の中心にいた。
笑ったりおどけたりはしないけれど
澄ました顔で大人しくしていたけれど
みんながおまえに一目をおいていた。

こぎれいな服を着て
俺の読んでみたい本をこ脇に抱えていた。
隣にいる女子はきれいな子だった。
おぼっちゃんとおじょうさまのように~」




「俺に持ってないものを
おまえからとりあげてやるって。
おまえの上品そうな顔も
当たり前以上に受けてきた
教育も
はたらくことなんて知らない
細くてきれいな指も・・・・
俺は、おまえを知った時から
おまえのものは
全てとりあげてやるって
それが俺の
生きていく意味になった。」


憎しみと恨みの炎が
素良の向かって上がっていた。


とんでもない間違いでも
それが芳樹にとっての
目標だったのなら
哀れすぎると私は思った。
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