~KissHug~
治樹の机に座って
教科書を広げた。


しばらく集中してコツコツやった。

「おまえさ、俺のとこに何しにきたん?」

後から治樹の声が聞こえて驚いた。


「あーびっくりした。
だって、寝てるんだもん。
勉強教えてって言ったのに~」

「俺もつかれてるの。
おこちゃま相手にしてられない。」

「ひとつしか違わないじゃん。」

「この一年の違いに意味がある。」

「気取って、ばかじゃないの?」

「それでどこを教えてほしいの?
塾に行かなくても
学年トップクラスの方が~」

「会いたかったの。
ずっと話せなかったから……
もう2年くらいちゃんと話してない。」

「2年?そっかー
それでなんの話だ?」


「べつにないけど
ただ話したかっただけ。」


「へんな奴~」

治樹が久しぶりに笑った。

春江は幸せな気分だった。
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