~KissHug~
「女を感じないって……」

涙が溢れた。

その涙を唇がで優しくふきとる。

「感じすぎて他の女を
抱きながら、おまえを抱いてる
錯覚に陥った。」

「あの時私を受け入れてくれなかった。」

「おまえを汚すのがイヤだった。
小さい頃のおまえが
天使のように可愛かったから・・・」


「わかりづらい性格ね……」

私は泣き笑いになった。

「愛してる女を抱くって
すごいことだよな。
心も体も満たされる……
おまえをこうしたらどんな表情を
するのか
どんな声で喘ぐのか……
想像する自分を
汚らわしいと思ってたから……
おまえのことは心だけで愛したかった。」

「抱いてみて
どうだった?」

「最高だったよ。」

「ありがとう。
これで頑張れる。
ここでの思い出は、ハルの胸の中で
封印しててね。」


朝日を浴びながら
治樹の背中にしがみつく……

  このまま溶けてしまいたい
  ハルの身体とひとつになりたい


握手をして
別れた、あの朝だった……
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