~KissHug~
時は、過ぎていった。

芳樹は一歳を迎え
三人で誕生日を祝った。

雅恵の子供も生まれてるはずだったけど
変わらずに
春江と芳樹のところに
帰ってきて
そのころは、もう夫婦同然の生活だった。


ある日
春江は勤務先の総合病院の小児科で
雅恵を見かけた。

ストレスのせいだろうか
雅恵はかなり太っていた。

腕に抱かれてる赤ん坊は
大声で泣いている。

春江は赤ん坊の泣き声に
責められているような
錯覚に陥った。


雅恵は顔色が悪く
疲れている様子だった。


「大丈夫よ・・・
おかあさんがついてるからね・・・・
おかあさんが守ってあげる・・・」

呪文のようにつぶやいている。


春江がコソコソと後を
通り過ぎた時
腕をつかまれた。


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