~KissHug~
「おまえら、さいてーだな。」

陽介だった。

「ヨウ……」
できれば会いたくない一人だった。

「あいつは悪魔だよ。
雅恵さんの子供には目もくれない。
自分の子なのに……
頭おかしいから……」

「聞きたくない…勘弁して……」


「だめだ!聞くべきだな。
おまえがどんなにひどいこと
あの人にしてるのか・・・・」


「子供病気なの?」


「カゼをこじらせたんだ。
あの小ささでこじらせたら
どうなる?
普通、母親の免疫もあるからあんなことに
ならないから……」


「ヨウは、雅恵さんの力になってるの?」

「親からの援助は一切受け付けないんだ。
夫がいるんだから
大丈夫って
最近、顔を見せないし
みんな心配してたから
俺が行ってみたら
雅恵さんもかなり体調悪いみたいだし
素良もぐったりしてるし
ただ事じゃないと思って
知り合いの小児科医のとこに
つれてきたんだ。」


「悪いの?」

「素良は入院だな。
かなり悪い・・・・・」

「病院にはいってなかったの?」

「雅恵さん、素良産むとき大変で
出産のあとからも
かなり体調も悪くて、だけど夫があんなんで
なんのフォローもなくひとりで育児して
夫のことで悩んで
おまえらのやってることって
殺人行為だからな。」

  殺人行為・・・・・


「あの悪魔に言っとけ。
素良は、お前の子供だろう?って……
親も嘆いている
相手がおまえだってこともな。
とにかくちゃんと話しをするべきだって。」
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