~KissHug~
「そうだ、歩来さん、夕飯食べて行って!!
ね?あなた!!いいでしょう?」

すっかり歩来になついた
麻衣がピョンピョンはねた。

「ママ、ありがとー」


「そんな、いや、いいです。」
私は慌てて、断ったが

「帰りは送るから
食べていきなさい。
俺は、病室回ってくるから
ゆっくりして行って。」

院長は笑った。


広いリビングには
麻衣の写真で一杯だった。

「かわいい~」

  うちにもこんな写真あるな

幸せの塊のようなリビングだった。


結婚式の写真が飾ってあった。


「奥さんきれいですね~」

「あら、やだ~
そうそう、私は瞳っていうのよ。
ふうちゃんって呼んでいいかしら?」

「あ、はい!!」

瞳は明るい女性だった。
そして料理の天才だった。


次々と並ぶ料理に
「こんな料理は、レストランでしか
作れないと思ってました~」
驚くばかりの私・・・


「私はね、この料理で陽介さんを
ゲットしたの。
もう、ずっとずっと好きでね……
大学の後輩だったんだけど
あのとおり優しくて素敵でしょ?
うふ……」

そう言って照れる
瞳はすごく正直で可愛い人だった。




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