~KissHug~
洗濯機をスタートさせて
芳樹の部屋に戻ろうとした時

素良の部屋に気持ちがいった。
部屋を通り過ぎて
素良の部屋のドアを恐る恐る開けた。


見慣れた部屋がそこにあった。

本が一杯の机はあの日のまま
素良の机に手を触れる


素良のベットに腰かけて
素良の枕に顔を寄せた。


ここでいつも素良と
たわむれていたっけ


留学の用意をしていた。
スーツケースを見て胸が熱くなった。


  別れはもうすぐそこにきているんだ



私は素良の部屋から
今いるべきところに戻った。


窓の下を芳樹が戻ってきた。
階段を駆け上がって


「うえ~寒いわ~」
冷たい風をつれて芳樹は
私を抱きしめた。
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