~KissHug~
今年は
弟のミニバスの大会で
両親は一緒に東京に出掛けていた。

私は祖母のところで
のんびり過ごした。
おかあさんはきっと
私を一人にしたくなかったんだろう。

男でも来たら大変なんて・・・


予定を早めて
いろいろ祖母を言いくるめて
予定より早く家に帰ることにした。

芳樹には内緒で・・・・


お年玉で少し膨れた
お財布を持って
札幌駅で下りてブラブラしていた。


そこで私は芳樹にばったり会った。


「芳樹~」
一人の女性が芳樹の腕をとった。

その女性をはさんで
しばらくお互いに見合っていた。
私は振り返って
逆方向に歩きだした。
心臓が破裂しそうだった。
芳樹は追ってはこなかった。
そのかわりに
夜、私の家にやってきた。


「ちょっと出られる?」

「ムリ・・・・」

親が留守なのを
芳樹は知ってる。

「じゃあ、入れて。」

「ムリ!!」

無理やり芳樹は玄関に入ってきた。


「なんでお前は居るの?」

「私が答えるのより先になんかないの?」

「俺に言わないで、素良と会うつもりか?」

「は?何それ?」

「答えろ!!」

私は頬がカ~ッと熱くなった。
芳樹が私の頬を殴ったから

「何する・・・・」

「ふざけんなよ。
バカにしやがって!!」

芳樹は私の髪をわしづかみにして
後に引いた。

「い、いたい!!やめて~~~!!」

芳樹の目は今までみたことのない
恐ろしい目だった。
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