~KissHug~
巻き髪女のおかげで
私のプランは台無しだった。
タイミングを逃し
元気になりそびれ
転倒した恥ずかしさで
すっかり
下向きになってしまった。
窓側の一番後ろで
私は、またどんよりしていた。
深いため息をついたら
ついつい大きいためいきになった
ひとつちがうことは
隣の席の
龍崎 素良に恋をしたこと
私の大きなため息で
素良がこっちを向いた。
顔が爆発しそうなくらい
真っ赤になった。
素良は、一瞬私を
つめたい目で一瞥して
前に視線を戻した。
いや~ん…はずかしい、最悪だ
クラスの自己紹介が始まっていた。
さっきの巻き髪女の番になった。
「栗原 千鶴 です。
北中からきました。
ち~って呼んでください。
小首をかしげて
カワイ子ブリッコ風にいいのけた。
いいよね~
動じずみんなの前で話ができて
わたしは、ドキドキしてきた。
順番が近づいてくる。
今度こそ・・・
失敗しないぞ
輝く高校生活を手に入れるには
もう、失敗はできない。
頭の中は
インパクトのある挨拶を組み立てる
しっかりわたし