契りの指輪
【第一章】
キャバ嬢 -名波 真-
目を覚ますと
そこには白馬に乗った王子様と
小さい小人達が
沢山の花束を持って並んでいました。
そんな世界に憧れていた。
この歳にもなって、そんなお伽の国に憧れているなんて、少し自分が惨めになる。
現実を見なよ…──
誰かが、そう囁いたように感じた。
目を覚ますと
そこには冷たく無機質で寒々しい
無駄に広い部屋が
ひろがるだけでした。