ロスト・ラヴ


「あっ、私これから合コンあるんだった!」


ガタッと音を立ててカナは立ち上がる。


「今日も?」

この私の言葉には意味がある。
昨日も一昨日もカナは合コンに行くと言っていたからだ

つまり今日で連続三回目。

「合コンは私の生き甲斐!‥そうだ」


「えっ、ちょ‥なに?!」

カナは私の腕を掴むと席から立たせた。


「弥生も行こうよ!合コン」


「はい?」


「ほーらぁ、弥生合コン初体験☆」


「いやだよ、だって‥無理無理!」

今さっき、私は圭ちゃん一筋って言ったばっかりじゃないのよー!!

それに‥お酒とか、飲めないし‥‥‥。


「ほらっ私、お酒飲めないし!ねっ?」


グイグイと腕を引かれたまま店の出口まで来てしまった。


「ダーイジョブ。ジュースでもいいから!ちょうど一人足りないの、弥生がいて良かった〜ねっお願い!」

「この通り!」と手を合わせて頭を下げるカナに店の人達の視線が集まる。


なんか…めっちゃ見られてますけど‥カナさん。


「ちょっとーっ‥…じゃ…少し、だけ…なら。だから早く出よ!!」


「やった!!ありがと弥生ー」


私はそのまま抱き着くカナを連れて店から出た。



こうでも言わないと店から動かないだろうし。それに‥少し、興味あったしね。
一回くらいなら、大丈夫だよね?



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