JEWEL





13年も前に負った傷が未だ癒えないなんて

俺ってそうとう情けねぇ男だよな…



最後にそう自嘲気味に笑ってから

いい加減体も冷えてきたから

俺はコンビニ内に戻った。








━ カラン カラン



あれから数時間。


雑務をこなしていたところに

本日初の客が登場したのだが…



「いらっしゃいま、せ…」



俺はその客に

あやうく言葉を失うとこだった。





何者だよ………


どっかのアルバイトか?





入って来たのは

真っ赤なミニスカートのサンタ服を来た女。



白いファーで縁取られたサンタ帽からは


緩く巻かれたキャラメルブラウンのロングヘアーが揺れていて


短いスカートから覗く素足は真っ白だ。





女は黙って下を向いたまま店内に入ると

そろそろとお菓子が置いてある棚へ歩いて行った。




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