JEWEL





俺はレジからその女を見ていた。



…高校生くらいだろうか?

ちらりと時計を見ると、23時を過ぎたところ。


高校生だったら…この時間に外出ってダメだよな??



そんなことを思いながらその女を見てると

女はしばらくじ―っとお菓子を見つめ

新発売の冬限定のチョコレートを手に取った。



ぎゅるるる〜っ






………はっ??






突然鳴った音に

俺は目を丸くする。


女はバッと腹をかかえると

恐る恐る、といった感じで俺を見た。





「…き、聞こえました…?」





初めてまともに顔を見て

俺は不覚にも…

一瞬言葉を失った。



………可愛いじゃん。



キョドる女の顔は、まさに俺好み。



…可愛い女ってさ、虐めたくならねぇ?


だから俺はニヤりと笑って



「あー…、聞こえてないっすよ?

腹が鳴った音なんて。」


そんな風に返してみた。



すると女は目を見開き

顔を真っ赤にして叫ぶ。



「聞いてるじゃないですかぁ!!」



…その怒った顔、たまんねぇな。




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