JEWEL





その言葉に、女はまた目を丸くして

しばらく俺を見たあと



「ありがとう!」


嬉しそうに笑った。



そして大事そうにチョコレートを持つと

俺のいるレジに寄って来る。



「食べる〜?」



女は大事そうにチョコレートのパッケージをあけると

一つを取り出して

俺に差し出した。




「…なんで俺が食べんだよ?」


はー…とため息を漏らしながら

呆れて女を見れば


「え、チョコ嫌いなの?」


と、驚く女。


…そ―ゆ―問題じゃなくね??


「お前、腹減ってんだよな?」


「…あぁ!

そうだった!!」


…忘れてたんかよ!!

てか忘れるくらいなのかよ?!


そんな心の中でのツッコミに

女が気付くわけもなく


「いただきます!」


ニヤニヤしながら

チョコを頬張り始めた。




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