JEWEL
1Carat: 巡 逢 -meeting-
赤、白、緑がポイントになって
キラキラと光を放つ街中を
俺はゆっくりと歩いていた。
すれ違う恋人たちは
みんなどこか楽しそうで。
光りで彩られたこの道は
カップルたちを受け入れてるようで。
なんなんだよ。
何が楽しいんだよ。
なんでそんなに笑ってんだよ。
俺には笑う理由がわかんねぇ。
クリスマスの何が楽しい?
キリストが生まれただけだっつーの。
― ヴヴッ ヴヴッ
そんなことを考えていたら
ポケットに入れたケータイが震えた。
取り出して見ると
隆也(たかや)からの着信。
「なに?」
わざと無愛想な声でそう出たのに
「お前、今何処にいんの?」
隆也は気にする様子もなく
俺に聞き返す。