JEWEL





「こんばんわ」

「斎くん―――!!」



バイト先のコンビニに着くと

午後の担当だったバイト仲間達が

うれしそうな声を上げた。



「みんな、斎くんが来たよっ!」


調度客がいない時だったから

レジ担当のやつが全員呼びだし

全員が俺の周りに集まりだした。



「斎くん、今日、ほんとにいいの?」


全員集結したとこで

店長が申し訳なさそうに俺に聞く。


「はい?

いいに決まってんじゃないすか。

時給、1000円なんすよね?」


「それはもちろん!

でも斎くんなら…彼女とか…」


「んなもんいないから大丈夫っすよ。」


シラッと答えた俺に


「は―…やっぱカッコイイわ」


と、近くにいた男が言う。


カッコイイとか、意味わかんねぇ。





「ま、そういうことなら、

みんなで斎くんに甘えよ―!」


「「「オ―!」」」


誰かの言葉に

全員が声を合わせた。





12月のシフトを組む時

今日のバイトに入りたくないって

俺以外の全員が言い出したから

俺が

「時給を上げてくれるなら

一人で24日の夜9時から

25日の朝9時まで入りますけど?」

と言ってみたら

それが実現されちゃったっつーね。



すごくね?




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