愛される星
何度コールをしても、凌には通じなかった。
林檎の袋を抱えて、夕日に押されるように凌の部屋へと急いだ。
(具合でも悪くしていたんだ。きっとそうかも知れない。)
胸のざわつきを知らんぷりしながら。
あの角を曲がればきっと凌に会える。
凌のアパートが見えて、階段を昇ってつきあたり。少し急いで来たから呼吸が乱れてしまった。
(凌…凌…)
階段を昇りきって、凌の部屋のドアに顔を向けると、調度その瞬間ドアが開いた。