愛される星
その先に立つ二人の姿を私はただ呆然と見つめているだけだった。
「椎菜……」
凌がそう名前を呼んだけれど、私はその場にいちゃいけないと感じた。
二人の関係を詮索なんかしない。すればきっと自分が惨めになる。
「あなた、凌の彼女なの?」
女が私に向かって言った。その顔は、誇らしげでもあり、恨めしい顔でもあった。
「椎菜、とりあえず部屋に入って。」
凌が駆け寄って私の腕を掴んだけれど、その手を解いたのは私だった。