愛される星
私はおもちゃなんかじゃない。
いらなくなったら捨てられる、おもちゃじゃないよ…
波は私の心の中をも巻き込んで引く。
空っぽにしてくれたほうがいい。心が残るといい事なんかない。
波打ち際
暗くて見えない。遠くのほうで船が行き交う。工業地も明かりが灯って古く錆びた煙突から絶えず煙があがっている。
けれど私を燈す明かりなどない。
何時なんだろう、と思ってデニムのポケットから携帯を取り出す。
水に濡れて、壊れかけている。