愛される星
愛するがゆえに
今まで出会って来た男たちは、私の上をただ通り過ぎた。
最後の恋
そう思えた凌でさえ、私の上を通り過ぎてしまうのか。
あれから私はどうにか家までたどり着き、お風呂に入って髪を乾かして、はげかけたネイルを落として、新しい服に着替えた。
それから茶の間に行き、
「お母ちゃん!腹減った!」
といつも通に振る舞った。いつも通りに。
笑顔だった。もう泣いたりしなかった。あの日の海に、自分を捨てて来たからだ。