愛される星
愛した街からは、ずうっと離れた遠い遠い街。
これからはこの街で新しい生活をする。
小さな借家に入って、今まで貯めてきた貯蓄で細々と暮らそう。借家は庭付きで、大家さんがとても良くしてくれる人だった。
「若いからインテリアとかこだわりたいでしょう?好きに改造しちゃって構わないわ。」
しわくちゃの顔で、くしゃっと笑って言ってくれた。
「この皺と白髪は生きて来た証なのよ。」
そんなふうにも言っていた。
この街が好きになる。
そう感じた。