愛される星

その時に初めて、お母ちゃんが両親に口を開いた。流産は免れた。お腹の子供は必死で生きている。生きているんだ。


「この子をおろせと言うなら、私共々自殺しますから。」


強い思いを伝えた。


それから部屋から一歩も出ず、食事もしなかった。お母ちゃんはずっと、そうした。


見兼ねた両親は、お母ちゃんの意志と体を気遣ってやっと折れた。


その子は私だ。


お願い、殺さないで。
お母ちゃんに会いたい。 お父ちゃんに会いたい。


必死でしがみついた、私なのだ。



< 134 / 195 >

この作品をシェア

pagetop