愛される星

「…スナックの歌唄いの女の子でしょう。さっき見て来たわ。」


「おまえ…椎菜に会ったのか!?」


「そうよ。彼女、あなたを諦めてもいいって言っていたわ。」


女は咄嗟の嘘をついた。


「椎菜はそんな事言わないよ。」


「彼女そう言ったわ。どうしてそんなに信じきれるのよ。」


椎菜はそんな事言わない。僕の傍を離れない、離れたりしない。そう言っていたから。僕は信じている。


強い想いを胸に、石垣さんは、女の言う事をはねのけた。



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