愛される星


「それから僕は友達の家に泊まって、翌朝出勤したけど、携帯を部屋に置きっぱなしにしてしまってて…」


しぃちゃんからの着信があった事、それを女が消去した事は後から知ったと言う。



「石垣さん……ごめんね。何にも知らないのに、私自分勝手に八つ当たりしちゃって…」


「野乃華ちゃんは悪くないよ。気にする事はないよ。誰だって大切な人を失った時は取り乱すものさ。」


「……石垣さんも?」


「ああ。椎菜が目の前から消えてから、僕もさすがに荒れちゃって。」


知らなかった。
全然知らなかった。



< 162 / 195 >

この作品をシェア

pagetop