愛される星

あの日、しぃちゃんが来る土曜日にまだ女は諦めずに石垣さんの部屋にいた。
会社に行ってまで石垣さんを待ち伏せて、これじゃ埒があかないと思った石垣さんは、部屋に連れて帰り、女ときちんと向き合った。


夕方にまで話し合いは及んだが、一向に理解してもらえずにいた。
女もねばったのだ。


その頃、しぃちゃんは石垣さんに電話をかけてみたけど繋がらない。


直接部屋を訪ねて行った時が、その時だった。


「とりあえず僕じゃ君の助けにはなれない。もうこういうのは止めてくれ。」


そう言いながらドアを開け、女を外に出す。



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