愛される星
しぃちゃんは煙草に火をつけ、ぷわ〜っと煙りを燻らせた。
しぃちゃんの煙草の匂いが好きだった。
「ところでのんきは、彼氏とうまくいってたんだな?」
「うん、一応ね。まだ付き合ったばっかだし。」
「そっか〜。若いとは素晴らしいね。 色んなのと付き合うといいさ。恋であってもそうでなくても、ね。」
しぃちゃんは私の憧れだ。何をしたって恰好良かった。
泣いても、自分を取り乱しても、腫れた顔でも、全てのオーラが、雰囲気が全部恰好良かった。
私もしぃちゃんのような立ち振る舞いがいつか出来るだろうか。
他人の幸せを願えるしぃちゃんに届かない自分が、どうも醜い人間のような劣等感に苛まれた。