愛される星

「しぃちゃんの歌が聞きたくてさ。」


彼は私に笑顔を向けた。


(けっ。キザな)


そう思いながらも、何故かホッとしたような気持ちになった。


「あなた普段何してる人?」


カウンターの隅に座った彼に聞いてみると、


「僕は普通のサラリーマンだよ。」


自分を飾らない喋り方で返した。


「あらら〜しぃちゃん、本当は石垣さんの事気になってたんじゃないの〜〜?」


「うるさいよママ!そんなんじゃないってば!」


< 43 / 195 >

この作品をシェア

pagetop