愛される星
二人で新設されたベンチに座った。月がポッカリと二人を照らした。


「しぃちゃんの歌。あれはやっぱり寂しい歌だよ。」


「そう?自分じゃかなり前向きなんだけど。」


「うん。でも、だからかな。引きずり込まれちゃって、ハマっちゃうんだよ、みんな。」


「そうかなぁ。」


「そう。僕もその中の一人さ。」


「言わばその他大勢でもある、って事だな。」


笑いながら言った。
すると石垣さんは私を見つめて言った。


「その他大勢は、いつかオンリーワンになれるかな?」


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