愛される星

相変わらず賑やかな店内で、今夜も私は歌を唄っていた。


私達の演奏中は、薄暗い照明がもう少し暗くなり、ステージは暑いくらいの照明があてられた。


客の顔が、ここからはうっすらとしか見えない。


けれど殆どが馴染みの客だったため、初めて来た客とは見分けがついた。


今夜はその中に、一人見つけた。


店の入口辺りにぽつんと立っている。


歌に集中しなくちゃいけないのに、その見慣れない客の存在が気になってしょうがなかった。


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