愛される星
この店は、飲みに来る客と、バンドを見に来る客と、大体半分にわかれていたが、初対面の客同士でもすぐに馴染んでいた。
演奏が終わり、カウンターに戻る。
客と話しているママに近寄り、さっきの女性の事を尋ねる。
「ねぇママ。あの入口の女の人…」
そう言いながら入口に目をやると、女性はいなくなっていた。
「あぁ。しぃちゃんも気付いてたかい?初めて来たんだろうけど、席にも座らないでそのまま消えちゃうなんて、冷やかしだろうね。まったく。」