ゆびきり
でも、いつ言おう。
雰囲気とか、シチュエーションとか?
俺わかんねーし。
俺がそんなふうに頭を悩ませていた時だった。
「俺、葉子ちゃんに告白するわ」
授業中、後ろの席の淳が俺の肩を叩いたかと思うと、小声でそう言ってきた。
は!?
告白!?
ってあの告白?
淳って葉子のこと好きだったの!?
確かによく葉子に話しかけてるのは見てたけど…。
淳は、今日の帰りに言うからとだけ言って、授業の内容に戻った。
まあ俺は応援できねーけど。
あれ?
でも葉子はどうなんだ?
葉子が俺を好きな保証なんてどこにもない。
もしかしたら淳のこと好きかもしんねー。
俺、悠長に構えてる場合じゃねーんじゃねーの?
でも今日告白するって言ってる奴の前で、俺が何できるって言うんだよ。
俺は答えを出せないまま、授業を終えた。