ゆびきり
加えて、あたしよりも山下くんの方が頭がいい。
だからあたしなんていてもいなくても…。
っていうか、いない方がいいんじゃ…。
「ねぇ桶川さん?」
「ぅえッ!?」
いきなり話しかけられたから、変な返事しちゃったよお。
そんなあたしに葵は、変なの~!って大爆笑。
山下くんは驚きながらも、大丈夫?って言ってくれた。
「ちょっと考え事してて。で、何?」
あたしは一呼吸おいてから、聞き返した。
「ここってこれで合ってるかな?」
「えーと…うん、合ってると思うよ」
山下くんは、ありがとうと言って、持っていたノートを葵に手渡した。
どうやら葵に質問された問題の答えを確かめたかったらしい。
そんなことしなくても、山下くんの方が頭いいのになあ。