ゆびきり



加えて、あたしよりも山下くんの方が頭がいい。



だからあたしなんていてもいなくても…。

っていうか、いない方がいいんじゃ…。



「ねぇ桶川さん?」


「ぅえッ!?」


いきなり話しかけられたから、変な返事しちゃったよお。



そんなあたしに葵は、変なの~!って大爆笑。

山下くんは驚きながらも、大丈夫?って言ってくれた。



「ちょっと考え事してて。で、何?」


あたしは一呼吸おいてから、聞き返した。



「ここってこれで合ってるかな?」


「えーと…うん、合ってると思うよ」



山下くんは、ありがとうと言って、持っていたノートを葵に手渡した。


どうやら葵に質問された問題の答えを確かめたかったらしい。



そんなことしなくても、山下くんの方が頭いいのになあ。





< 38 / 117 >

この作品をシェア

pagetop